土居です。
「おめー、学校辞めるんだって!?」
西日の強い西春駅の商店街にある喫茶店。
平日の夕方。
学校から名古屋への最寄り駅に向かうところで、強引に連れ込まれました。
何をオーダーするか尋ねることもなく開口一番にケンカを売られたような口調です。。
若さと顔の小ささと、髪型はデビュー当初の松田聖子。
それは、担任ではないが、かわいいのでよくからかっていた国語の女教師。
どいつから耳にいれたかは知らないが、向かい合っているのは、おそらくは7つくらいは年上の女性です。
驚くというよりは、
「なんでオレのことでムキになってるの?」って感じ。
・・・・かわいい・・・・
なんだか学校辞めたっていいことないだの、
お前の考えはどうのこうのだの言っていたように思いますが、そんなことより化粧もうまくて、ちょっとドキドキしてたって感じ。
「どーするんだよ! 辞めて(その後は)」
いつの間にか、アイスコーヒーの氷も溶け、20センチ四方の木枠の正方形が構成する窓際の外が気になり出したころ、教師Eは「あたしの前でたばこは吸うな」とやっぱり怒っている口調です。
べつに隠れて吸ってるとかではなくって、どうやらぼくに高校を辞めるのではなくて、卒業してからどこへでも行って好きなことをやれと繰り返しているようです。
もうこれ以上は影ができないというほど長くなった西日がつくる人のそれは、
今にして思うと、いずれは消えていく日々の記憶のようでした。
「密会的なこの時間を失いたくない」
「どうだ、Eを独り占め。うらやましいだろう」
誰彼ともなくささやきたい。
そんなふうに思っていると突如解放されました。
核心をつく話の内容はともかく、ぼくは、強引なまでにぼくに向き合ってくれた年上の女性に、やわらかい恋心を抱きながらも店を出た途端、いいようのない無力感に足元をすくわれそうになったのです。
終始乱暴な口調ながら、真剣に話してくれたE先生には悪いが卒業式で告白しちゃおうかな・・・・
とまたしても想像・・・というより妄想の世界(やっぱし話をよく聞いてない?!)。
とぼとぼと駅まで歩くうちに
夜が降りてきます。。
名古屋までの電車の中、席は空いているのに、ドア付近に立って思います。
友だちと呼べるのか呼べないのかそんなやつらと、またはバンド仲間と、適当な日々と適当な会話でしか成り立っていなかった日常。
つまらない理由を周りの人やコトのせいにして、逃げる、というより本当はどうしていいかわからず、逃げ場すらなかった自分。
同年代に悩みを話したってしょうがない。
父は相変わらず不在で、たまに顔を合わせれば「なぜ(額に)剃り込みを入れる?」と殴り、母は「(何かにつけて)もうやめて」。
妹は女の子、だ。
さっきまでの出来事は、もしかして
強烈に説教をされた嬉しくて切ない記憶・・・・・
時は高校3年の秋。
次回、まずは東京へのロード・・・・!?
「おめでとう」「ありがとう」・・・
あの人へ、想いを刻む贈り物
よろしければホームページもご覧ください。。m(__)m
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