琉球泡盛とは―。
まず、泡盛の大きな特徴は次の5点といえます。
- 原料が米(タイ米)であること(焼酎は主に「ジャポニカ米」を使用)
- 暑さに強い黒麹菌を使用すること(焼酎は主に「白麹」を使用)
- 仕込みは1回だけの全麹仕込みであること(焼酎は主に「二次仕込み」)
- 単式蒸留器を使用(焼酎は主に「連続式蒸留器」)
- 常圧蒸留製法(焼酎は主に「減圧蒸留製法」)
※酒造所によっては、上記の特徴と異なる場合があります。
「麹」はお米や芋などの穀物でお酒を造るとき、原料を糖化させる為に必要なものです。
また日本酒には黄麹、焼酎は主に白麹が使われるのに対し、泡盛造りに使用される麹菌は、「黒麹」。
泡盛の特徴は何といってもこの黒麹を使うという点が挙げられます。
また、泡盛の原料には一部の銘柄を除き、インディカ種(細長い系統のお米)のタイ米が使用されています。
こうして原料のタイ米を、黒麹を使って米麹にし
それに水と酵母を加えてもろみにし、2週間ほどアルコール発酵させます。
このシンプルな工程は「全麹仕込み」といわれ、これも泡盛独特のものです。
(泡盛以外の国内の焼酎はこの仕込みの工程を2度に分けて行います)
さて、2週間ほど発酵させたもろみを蒸留させるといよいよ泡盛が出来上がります。
このときに使われる蒸留機は「単式蒸留機」と定められています。
単式蒸留機は、もろみに含まれる成分をほどよく蒸気に含ませる為
原料の風味をあますところなく蒸留酒に反映させるという特徴があります。
さらに、こうやってできる泡盛には、「古酒に育つ」という大きな魅力があります。
ウイスキーやブランデー、ワインなどにもビンテージ物はありますが
泡盛を大切に管理していけば、100年、200年の古酒に、それも各ご家庭で、育てることができるのです。
このようなお酒は、世界でもほとんど例をみません。
第二次世界大戦で100年を超える古酒はほとんど失われてしまいましたが
戦後育てられた20年、30年といった古酒でも、その芳醇な味わいと甘い香りは高く評価されています。
泡盛のオリジナリティーとクオリティーの高さは
世界の名酒のひとつであると胸を張れるものなのです。
全国の皆様、ぜひ沖縄の伝統酒「泡盛」を一度はお試しください。